はじめに
「働きかたDIY」の tochu_diy です。
これまで、職業訓練校に2回通ったことがあります。2回目は3年ほど前、1回目はそこからさらに10年ほど遡ります。同じ「職業訓練」という制度を使っていても、2回はまったく違う経験でした。1回目は選考に落ちることなくすんなり入れましたが、2回目は人気のコースで、まさかの選考落ちを経験しました。これから職業訓練を受けようか迷っている方に、実際の体験として参考になればと思い、2回の職業訓練を振り返りながら、感じた違いや気づきをお伝えします。

1回目: 失業給付を受けながら”次の武器”を作った3ヶ月
1回目に通ったのは、2回目よりずっと前のことです。もともと法律系の資格の勉強をしていたのですが、不合格に終わりました。その後、就職活動をしないまま派遣として働き始めたのですが、契約が一旦終了したタイミングで、失業給付を受けながら職業訓練校に通うことにしました。
選んだのは、「リーガルナレッジ」という、法律的なことを一般的に学ぶ座学中心の講座で、期間は3ヶ月でした(今も同じ講座があるかは分かりません)。資格試験の勉強で得た知識を、次の就職活動に活かせたらと思って選んだコースです。申込書に志望動機のようなものを書いた記憶があるので、選考のようなものはあったはずです。ただ、当時はそこまで定員オーバーにはならなかったのか、抽選になるほどの倍率ではなく、選考に落ちることなく、比較的すんなりと入学できました。
正直なところ、だいぶ前のことなので、講座の中身の細かい記憶はあまり残っていません。ただ、印象に残っているのは、その後の就職活動に、この講座が有利に働いたという結果です。修了後、希望していた会社の法務部に派遣として入社できました。そこで1年ほど働いたのち、正社員として登用してもらえたのです。「そろそろ正社員を探すので更新しません」と自分から派遣先に伝えたところ、声をかけてもらえた、という経緯でした。この派遣先での働きぶりや、正社員になるまでの詳しい話は派遣会社4社を本音で比較にも書いています。
振り返ってみると、あの3ヶ月の講座が、法務部への派遣就業、そして正社員登用へとつながる、ちょっとした架け橋になっていたのかもしれないと思っています。
2回目: まさかの選考落ち、”人気すぎる”WEBデザインコース
2回目に職業訓練校へ通ったのは、1回目から10年ぶりくらいでした。退職代行を使って会社を辞めたあと、2回目の失業給付を受けている期間のことです。
今度は、法務やバックオフィスというこれまでのキャリアとは違う、新しいキャリアで何か学べるものはないかという視点で探しました。そこで目についたのが、WEBデザインです。当時も、そしておそらく今も、WEBデザインやホームページ制作、コーディングは、非常に人気のある分野だと思います。

説明会には4校ほど参加しました。学校によって募集のタイミングがバラバラで、毎月のところもあれば、2ヶ月に1回のところもあったので、都合がつく説明会を回りました。その中で一番良さそうだと思った学校に、選考を申し込みました。申込書には、志望動機はもちろん、学んだ知識をその後どう就職に活かしていくかまで、しっかり考えて書いた記憶があります。自分なりに、きちんと準備したつもりでした。
ところが、まさかの選考落ち。人気のコースだっただけに、倍率も高かったのだと思います。そこで気づいたのが、「人気がある学校・人気がある場所は避けた方がいい」ということでした。次の募集では、同じコースを提供している、少し不便な(遠い)場所の学校を第一希望に選び直しました。すると、無事に合格することができました。これが6ヶ月間のWEBデザインコースです。
同じ「職業訓練校を選ぶ」という行為でも、1回目はすんなり入れたのに対して、2回目はこうして選考に落ちるという経験をして、人気のある分野ほど、場所や倍率まで考えて選ぶ必要があるのだと実感しました。
6ヶ月間、大怪我と出席率ギリギリの攻防
6ヶ月のWEBデザインコースは、対面とオンラインのハイブリッドで進みました。Illustrator・Photoshopなどのソフトの使い方や、LP(ランディングページ)制作などを学び、最終的には就職用のポートフォリオを作ることが目標でした。
課題では、LPの制作にも取り組みました。LPというのは、自分が考えた商品やサービスをアピールするための、1枚のWEBページのようなものです。この課題を通じて、「自分がやりたい事業のコンセプトを、詳細に言語化・視覚化する」という思考の訓練にもなったことに気づきました。新しいスキルを学ぶだけでなく、自分の考えを深める機会にもなっていたのです。
ただ、この6ヶ月は、順調なことばかりではありませんでした。訓練の最後の1ヶ月で、左のアキレス腱を断裂する大怪我をしてしまったのです。通学ができなくなり、対面の授業は免除してもらう代わりに、オンラインの授業への参加と課題提出で対応させてもらいました。
ただ、事情を説明していても、形式的には欠席が増えることに変わりはありません。出席率の低下について、学校から書面で厳重注意を受けました。職業訓練は、出席率が一定の基準を下回ると、給付金が支給されなくなったり、最悪の場合は訓練の継続自体ができなくなったりする制度になっています。事情があっての欠席とはいえ、こうした注意を受けるのは、正直あまり気持ちのいいものではありませんでした。それでも何とか、ギリギリのところで最後まで修了することができました。
修了後に待っていた、2つのつまずき
訓練が終わっても、すぐに順風満帆というわけにはいきませんでした。

ケガをしていたこともあり、いきなり正社員として働くのは難しいだろうと感じていました。また、退職代行を使ってからの離職期間が1年ほどあったことも重なり、まずは派遣として働き始めることにしました。
いざ働こうと思い、以前登録していた派遣会社を確認したところ、登録がすべて失効していました。長年正社員として働いていたブランクの間に、登録情報が消えてしまっていたようです。面倒だなとは思いつつ、個人情報保護法か何かの関係で、一定期間が経つとデータが消去される仕組みなのだろうと分かり、それはそれで少し安心する気持ちもありました。仕方なく、登録からやり直すことになりました。
また、失業手当の手続きでも、ひと悶着ありました。ハローワークに問い合わせたところ、電話がなかなかつながらず、コールバックをお願いしても数日連絡が来ませんでした。ようやく担当者につながったと思ったら、こちらが提出していた書類の存在自体を、しばらく失念されていたということもありました。
それでも、ケガの状態を考慮してもらいながら派遣会社とのやり取りを進め、修了から1ヶ月半ほど経った頃、ようやく新しい派遣先が決まりました。ケガの治療中だったことを伝えると、就業開始のタイミングも調整してもらえました。
結局、学んだことは無駄にならなかった
2回の職業訓練を振り返ると、同じ制度でも、選ぶタイミングや分野によって、まったく違う体験になるのだと感じます。1回目は資格の勉強を活かす延長線上で、すんなりと次のキャリアにつながりました。2回目は、まったく畑違いの分野に挑戦した分、選考で苦労したり、途中でアクシデントに見舞われたりと、山あり谷ありの6ヶ月でした。結局、学んだWEBデザインのスキルを本業で直接活かす機会はありませんでしたが、デザインの考え方やコーディングの基礎は、今取り組んでいる副業で役立っています。まったく無駄になったわけではありませんでした。
だからこそ、どちらの経験も、今の自分につながっていると感じています。職業訓練は、単にスキルを学ぶ場というだけでなく、自分のキャリアを見直すきっかけにもなる、というのが、2回受けてみての率直な実感です。
「職業訓練は受けるべきか」と聞かれたら、私は受けてよかったと思っています。学んだことが、直接的にでも間接的にでも、その後の就職活動や今の生活に活きているからです。加えて、失業給付を受けている期間中に職業訓練へ進むと、給付の受給期間が訓練終了まで延長されるという仕組みもあります。収入面の不安を減らしながら学べるのは、大きなメリットだと思います。この延長給付の実際については、また別の記事で詳しく書きたいと思います。
派遣・正社員・退職代行を行き来してきた、これまでのキャリア全体の流れは「絶対」なんてなかったにまとめているので、あわせて読んでみてください。
まとめ
10年の間をあけて2回受けた職業訓練は、期間もコース内容も、選考の有無も、まったく違う経験でした。1回目は法務職への架け橋に、2回目は選考落ちや大怪我をしながらのギリギリ修了、という対照的な結果になりましたが、どちらも今の自分につながる経験になっています。
失業給付を受けながら過ごした期間のこと、退職代行を使ったあとの再スタートについては、退職代行のあとにやることにもまとめているので、あわせて読んでみてください。次回は、職業訓練中の失業給付の実際について、もう少し詳しく書いてみようと思います。
この記事が、これから職業訓練を検討しているどなたかの参考になれば嬉しいです🌱

