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はじめに
「働きかたDIY」を書いている tochu_diy です。前回は派遣会社比較の話を書きましたが、今回は少し重い話——パワハラで会社を辞めるときに使った「退職代行」の経験について書きます。
依頼から退職完了までの流れ、正直しんどかったこと、そして今振り返って思うことまで、全部書いていこうと思います。
先に結論だけ言うと、結果的に、自分を大切にすることができました。病気になる前に決断できて、本当によかった。こんなサービスがあったということ、本当にありがたかったです。
先にサービス内容や料金の比較表だけ知りたい方は、こちら(比較表へ)からどうぞ。
退職代行を使うことにした経緯
当時、私は上司から4〜5ヶ月にわたってパワハラを受けていました。
「あなたには期待していない」「あなたが仕事ができないのはみんなわかっている」「もうフォローするのは疲れた」——そんな言葉を、繰り返し浴びせられ続けました。
テレワーク中、ウェブ会議で上司の罵倒が続き、外がどんどん暗くなっていくのに、カーテンを閉める余裕すらありませんでした。その結果、外から丸見えの部屋でパソコンの画面に向かうという、とても異常な状況で呆然としていました。あまりに激しい物言いが家族にも聞こえてしまい、家族が驚くほどでした。眠れない日が続き、体調も崩し、家族や友人にも心配される状況となりました。
自分だけで抱え込んでいたわけではありません。会社の従業員向けメンタルヘルス制度を使って、カウンセラーとの面談も受けていました。そこで初めて「もう辞めたい」と言葉にして、自分の中で気持ちを確認できたのを覚えています。
最初のうちは「私が仕事できないのかな」と自信をなくし、「もっと頑張れば認めてもらえるかもしれない」と踏ん張ろうとしていました。でも、怒られ、けなされ続けるうちに、体調に異変が出てきました。テレワークで夜遅くまで残業しても仕事が終わらない。もう、仕事をするためのメンタルではなくなっていたと思います。「このままでは病気になる」と、はっきり感じました。
決定的だったのは、ある金曜日のことです。来週に迫っていた仕事のプロジェクトを「やり直せ」と言われ、「もう無理だ」と限界を感じました。その週末、日曜の夕方になって、「退職代行を使おう」と決めました。
自分から「辞めます」と言えなかったのは、単純に上司や会社の人間そのものが怖すぎたからです。辞めると言ったところで、「やっぱり仕事ができない」「迷惑をかけるな」とまた罵倒されるんじゃないか——それが何より怖かった。
退職代行の利用は、週末や大型連休明けに多いと聞いたことがあります。私自身、金曜日に無理難題を言われて、週末のうちに決意したので、たしかにそのタイミングと重なります。同じように「週末が明けるのが怖い」と感じている人は、きっと私だけじゃないはずです。
ここで一つ、伝えたいことがあります。「自分が無能だから退職代行を使う」と思うと、すごく辛くなります。でも、そうじゃない。退職代行は単なる手段です。 パワハラを受けて判断能力が落ちているときほど、ものごとをネガティブに考えてしまいがちで、下手をすると「退職代行を使う」という一歩を踏み出す気力さえなくなってしまいます。退職代行は「逃げ」じゃなく「戦略」として使っていいものだと、私は思っています。
今振り返ると、あのとき無理難題を言われたことすら、良いきっかけだったのかもしれません。あれがまさに、糸が切れた瞬間——決別の音色が聞こえた、そんな感覚でした。
私が使ったサービスと選んだ理由
退職代行というサービス自体は、以前から知っていました。使うと決めてから検索すると、いろんな業者が出てきます。その中で見つけたのが、YouTubeで解説動画を出していたフォーゲル綜合法律事務所でした。
まずは「制度としてどうなのか」を知りたくて、何本か動画を見ました。フォーゲルの弁護士さんはテレビにも出演していて、見たことのある番組だったので、「悪いことはしないだろう」という安心感がありました。
他の業者もさらっとだけ見ましたが、正直あまり時間がなく、焦りもあって、じっくり比較する余裕はありませんでした。
料金相場は3万〜5万円くらい、というのが当時の印象です。差額は「会社に訴えられたときに対応してくれるかどうか」や、「未払いの残業代を請求してもらうかどうか」によるようでした。私は弁護士が対応してくれることを重視して選び、プランは必要に応じて追加対応をお願いすればいいと考え、いちばんミニマムなものにしました。
もし今同じように探すなら、無料相談から検討できる「弁護士法人ガイア法律事務所」も候補の一つだと思います。
依頼から退職完了までの全記録
時系列でまとめます。
日曜の夜 — LINEで相談。週末で混み合うタイミングだったと思うのですが、夜遅くに一度返信があり、「とりあえず明日は休むと会社に連絡してください」という指示をもらう。この一言で、かなり安心できましたし、ありがたかったです。
月曜 — 指示どおり、自分から会社に「休みます」と連絡。これが、会社と直接やり取りした最後になりました。
火曜 — フォーゲル側が作成してくれた会社への通知文を、事前に内容確認。送付するタイミングもきちんと相談してくれたので、安心して任せられました。この日、会社への連絡はすべてフォーゲル経由にしてもらい、自分からは一切連絡しませんでした。通知文には「今後の連絡は代理人を通すこと、本人へ直接連絡しないこと」と明記してもらいました。
家でドキドキしながら、会社からの反応を待ちました。「本当に退職できるんだろうか」という不安が、正直かなり大きかったです。
しばらくして、フォーゲル経由でLINEかメールで連絡がありました。会社は、あっさり受け入れてくれたとのことでした。自分から引き継ぎ書を作ると申し出ていたことや、会社に置いていた私物がかなり少なかったことが、揉めずに済んだ理由かもしれません。
知らせを受けて、だいぶホッとしました。「案外簡単だった」という拍子抜けした感覚と、「もう会社と縁が切れる」という安堵感が同時にありました。
その後の流れは以下のとおりです。
- 引き継ぎ: 突然辞めることになったので心配でしたが、Wordに引き継ぎ内容をまとめ、フォーゲル経由で会社に渡してもらいました。特に何も言われませんでした
- 私物: 会社から郵送してもらいました。返ってきたのは書籍1冊だけ。それ以外は「処分してください」と伝えました
- 貸与物: 会社のPCも返送しました
- 離職票: いつ届いたかは正直あまり覚えていません。ただ、失業給付の手続きをすぐ進められたので、書類の発行自体はスムーズだったはずです。届くかどうか少し不安もありましたが、「その時はフォーゲルに頼めばいい」と思えたので、そこまで大きな不安ではありませんでした
引き継ぎ書を提出して何も言われず、私物とPCの返却が済んだ時点で、「もうほぼ終わった」と実感しました。
途中、「文句を言われたり、訴えられたりしないだろうか」というのが正直かなり怖かったのですが、実際には何も起きませんでした。
使ってよかったこと
いちばんの利点は、上司や会社の人と、一切顔を合わせることも話すこともなく退職できたことです。とにかくもう会社の人に会いたくなかった。それが叶う手段は、退職代行しかなかったと思います。
私物発送の手続きが進んでいると分かった瞬間、ホッとして、正直拍子抜けするくらいでした。「どうやら大丈夫そうだ」「もう会社に行かなくていい」と分かって、気持ちがすっと明るくなったのを覚えています。
家族には、使う前から伝えていました。反応は「全然いいじゃん! 辞めれてよかったね」という、あっさりしたものでした。否定的なことは何一つ言われませんでした。
金額は33,000円(税込)。ドキドキはしましたが、手続きはスムーズで、会社も文句一つ言ってこず、あっさり縁を切ることができました。今振り返っても、33,000円は安かったと感じています。
正直、注意してほしいこと
良いことばかりではありません。正直に書きます。
そもそも、パワハラに対応するための選択肢は、退職せずに休職のうえ、傷病手当をもらう、という方法もあるのではないかということが、一瞬頭をよぎりました。転職活動に半年以上もかけて入社した会社だったので、一瞬の躊躇があったことは否めません。でも、会社に残ること自体、もう無理な心境になっていましたし、それでは会社との関係が続いてしまうので却下しました。そこで、退職することにしたものの、ひどいパワハラが辞める理由だったので、本当は「会社都合」にしてもらいたい気持ちもありました。でも、それを主張すると会社と揉めるかもしれない——そう思って、結局は自分から「自己都合で辞めたい」と伝えてもらいました。本当は会社都合にしたかった、というのが正直な本音です。 退職代行は、必ずしも一番お得な条件を勝ち取るための手段ではありません。「とにかく関わらずに済む」ことを優先する選択でもある、というのが実感です。
また、「もう少しうまく立ち回れなかったのかな」という自問も、正直まだあります。それから、いつかどこかで「退職代行を使ったこと」が転職活動の際にバレて、不利にならないだろうか、という不安も少し残っています。今のところ、自分から言わない限りわかることはないはず、とは思っていますが、絶対とは言い切れません。
実は、退職後の転職活動で、良さそうな会社を見つけたことがありました。ですが、偶然にも、辞めた会社と同じビルに入っていました。それだけの理由で、その会社を候補から外しました。それくらい、今でもトラウマとして残っています。
私が使ったのは1社だけですが、他も調べてみました
私の体験はフォーゲル1社分ですが、これから探す人のために、料金や特徴を調べてまとめておきます。
| 代行者 | タイプ | 料金目安 | こんな人向け |
|---|---|---|---|
| 私が使った: フォーゲル綜合法律事務所 | 弁護士 | 22,000円〜55,000円程度(プランにより変動) | 弁護士対応・有給や未払い残業代の交渉まで任せたい人 |
| 弁護士法人ガイア法律事務所 | 弁護士 | 基本55,000円(意思通知のみなら25,300円) | 無料相談からしっかり検討したい人 |
| 男の退職代行 | 労働組合(男性専用) | 21,800円(アルバイト等は18,800円、+組合費1,000円別途) | 男性・スピード重視、団体交渉力も欲しい人 |
| わたしNEXT | 労働組合(女性専用) | 21,800円(アルバイト等は18,800円、+組合費1,000円別途) | 女性・同性スタッフに相談したい人 |
| 退職代行ネルサポ | 弁護士監修の民間 | 一律15,000円 | とにかく費用を抑えたい人 |
| AI退職代行 by行政書士 | 行政書士監修・AI対応 | 2,980円〜 | 最安値で、まずは意思だけ伝えたい人 |
(2026年7月時点の情報です。プランや条件により変動するため、申し込み前に必ず公式サイトでご確認ください)
私がフォーゲルを選んだ決め手は「弁護士対応であること」でした。有給消化や未払い分の交渉まで任せられるのは、弁護士系ならではの強みです。一方で、とにかく費用を抑えたいなら民間のネルサポ、男性・女性ならではの悩みに寄り添ってほしいなら労働組合系の「男の退職代行」「わたしNEXT」も選択肢になります。
→ 弁護士法人ガイア法律事務所 公式サイト/男の退職代行 公式サイト/わたしNEXT 公式サイト
退職代行はこんな人に向いている/向いていない
私の経験から、こんな人に向いていると思います。
- 上司からのパワハラで、自分の意見を正確に言えなくなっている人
- 「自分がもっと頑張ればよくなるかも」と、つい踏ん張り続けてしまう人
- 責任感が強い人
- 「会社に悪い」と思ってしまう、優しい人
パワハラで判断能力が落ちているときほど、自分で会社と交渉するのは難しくなります。だからこそ、代わりにやってくれる仕組みがある、というのは大きな意味があると思います。
一方で、退職の意思を自分で伝えることに抵抗がなく、円満に話し合いで解決できそうな場合は、無理に使う必要はありません。
退職代行を使った後にやること
退職代行を使って辞めた後は、離職票を受け取ったら、失業保険の申請へと進みます。必要であれば職業訓練を検討したり、次の仕事探しへと進んでいくことになります。それぞれの詳しい体験談は、別記事でまとめる予定です。
よくある質問
Q. 会社にバレる?家族に知られる?
A. 退職代行を使ったこと自体が会社から家族に伝わることはありません。私の場合は家族には自分から事前に伝えていて、「全然いいじゃん!」と受け止めてもらえました。
Q. 損害賠償される?
A. 私も正直かなり怖かったのですが、実際には何も起きませんでした。弁護士監修の複数の解説記事によれば、退職代行を利用したこと自体が損害賠償請求の理由になることはありません。ただし、長期間の無断欠勤や、必要な引き継ぎを一切せず会社に実害を与えた場合など、退職の仕方によっては請求されるリスクがゼロではないとされています。心配な場合は、弁護士対応のサービスを選ぶとより安心です。
Q. 有給は消化できる?
A. 私の場合、退職日を確認する際に有給の取得についても相談してもらえました。そもそも有給休暇の消化は労働者の権利で、会社は原則として拒否できません(厚生労働省のガイドラインに基づく一般的な制度です)。「引き継ぎが済んでいないから」といった理由での拒否も認められていません。とはいえ実際の交渉が必要になる場面もあるので、不安な場合は弁護士対応のサービスを選ぶとより安心です。
Q. 即日辞められる?
A. 「もう二度と出社しなくていい」という意味では、私の場合、相談した翌日(月曜)から一度も出社していません。ただし、正式な退職日は引き継ぎや有給消化の兼ね合いで調整されるので、「相談した瞬間に全部完了」というわけではありませんでした。
Q. 私物・貸与物はどうなる?
A. 私は私物を郵送してもらい、会社のPCなどの貸与物も返送しました。返ってきた私物は書籍1冊だけで、それ以外は処分をお願いしました。
Q. 引き継ぎをしないで辞めても大丈夫?
A. 私も心配でしたが、Wordに引き継ぎ内容をまとめて代行会社経由で渡す形で対応でき、特に何も言われませんでした。心配しすぎなくても、実務的に対応できるケースは多いと思います。
Q. 転職活動で「退職代行を使った」ことがバレて不利にならない?
A. 正直に言うと、私も今なお少し不安が残っています。今のところ自分から言わない限りわかることはないはずですが、絶対とは言い切れません。「もう少しうまく立ち回れなかったかな」という迷いも、正直まだあります。
まとめ
追い詰められて、病気になる前に決断できたこと。それが何より良かったと、今でも思います。
むしろ、あのとき無理難題を言われたことがきっかけで良かったのかもしれません。あれがまさに、糸が切れた瞬間でした。
もし今、当時の私と同じように「辞めたいけど言えない」と苦しんでいる人がいたら、伝えたいです。退職代行は、逃げじゃなく戦略です。 自分を大切にするための、立派な選択肢の一つだと思います。
長い記事になりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました。同じように悩んでいる誰かの、小さな一歩になれたら嬉しいです🌱

